生前整理で家の片づけをするときは、後回しにしがちな「思い出のモノ」の片づけからスタートすることをお勧めしています。思い出と向き合うにはチカラが必要ですが、生前整理に不可欠な「心の整理」につながりますので、実は効率が良いのです。1日でも早く始めましょう。
本コラムでは、自分にしか作れない、幸せの詰まった「思い出箱」の作り方をお伝えします。
モノを整理するなら、「魔法の4分類シート」で
思い出のモノを探したい、家の中のモノを減らしたい、使いやすく整理したい、と思ったとき役立つのが「魔法の4分類シート」です。
ホームセンターにあるレジャーシート(ブルーシート)をマスキングテープなどで「いる」「いらない」「迷い」「移動」に4分割し、片づけたい場所の手前の床などにセットします。そして片づけたいモノを取り出し下記のポイントに沿って4つに分類しながら、シートの各場所においていくだけ。
- 「いる」におくのは「今使っているモノで、今後使う予定がはっきりしているモノ」
- 「いらない」におくのは「今使っていなくて、今後使う予定がはっきりないモノ」
- 「迷い」におくのは「判断に8秒迷ったモノ」です。まとめて半年後にもう一度見直ししましょう
- 「移動」におくのは「使いやすい場所に移動するモノ」と「思い出としてとっておきたいモノ」
「思い出のモノ」は、使っていないけれど大切にとっておきたいモノだと考えるとわかりやすいです。
要不要の視点を「モノ」から
「自分の心」へと移しましょう
使えるか使えないか、高かったか安かったか、などそのモノの価値を判断基準にすると、なかなか手放すことはできません。肝心なのは「それを自分が使うかどうか」なのです。
どんなに良いモノでも使わずにしまい込んでおくのが一番もったいないことだと思いませんか?
ここは、モノから自分の心へと視点を変えて、「本当に使いたいか?」「使う予定はあるか?」などと問いかけながら分類していきます。
たとえば、「痩せたら着ようと思っている服」は、「今使っていない、今後使う予定がはっきりしないモノ」なので、「いらない」に分類。 ちょっと厳しいですか?・・・ でも大丈夫、痩せたらそのときの自分に似合う、もっと素敵な服を買いましょう!そう決めたほうがずっと気分が上がりますよ。
「いらない」に分類したものは、売る・譲る・リサイクルする・寄付する、など、なるべく有効活用できる方法で手放すと気持ちがラク。フリマアプリなどを活用して、新たな趣味にしている方も!
過去のモノへの執着を捨てたところに、未来を考える余裕が生まれます。
のぞくだけで幸せになる、
思い出箱の作りかた
さあ、使わないけど取っておきたい、あなたの「思い出のモノ」を集めてみましょう。
たとえば、幼い頃大切にしていたオモチャ、頑張った部活動時代のタオル、青春の思いをつづったノート、初めてのバイト代で買ったCD、大好きな祖父からもらった古時計、誕生日に届いた親からの手紙、亡き親友とそろいのハンカチ、子供からのお手伝いチケット・・・
ほかの人にはわからない、自分だけのプライスレスな宝物が集まるはず。
これら「思い出のモノ」は、大切に「思い出箱」に納めます。推奨する「思い出箱」は、ミカン箱大。抱えられて邪魔にもならないほど良い大きさ、思い出の布などで装飾するとなお素敵です。
厳選していく中で、さらに手放せるモノは手放し、大きなモノは飾ったり、写真に撮って納めても良いですね。ゆっくり生前整理する時間の余裕がないなら、不用品の整理より、まず思い出箱づくりを!
本当の思い出は心の中にありますが、それを思い出させてくれる品を集める作業はそれだけで充実した時間になることでしょう。
のぞくとほっこり幸せになれる思い出箱作り、生前整理の第一歩としてぜひお勧めします。
本コラムでは、「生前整理の基本 - モノの片づけ・心の整理・情報の伝達」について、順を追って詳しく解説していきます
「生前整理」は「モノ・心・情報を整理」して、あしたの道すじを照らすこと。ひとりでも多くの方が新しい目標をもって幸せに生ききることができますよう、と願いつつ
~本コラムの筆者プロフィール~
村上 充恵氏
ル・リアン横浜代表。生前整理コンシェルジュ。神奈川大学EXT講座講師。セミナー、相談会などを通じて生前整理メソッドをわかりやすく伝える活動をしている。生前整理普及協会アドバイザー認定指導員、ファインシャルプランナー2級技能士。