~家の記憶エッセイ~ 住まいと棲み家とお宅とアジト
住まいにまつわるショートストーリーをお届けします。
日々の、日常の、住まいと家族のこと。
朝のコーヒーを飲みながら、通勤電車の中で、煮物が煮あがる待ち時間、就寝前に。
インテリアやインタビュー記事を執筆しているフリーライターによるコラムです。
新生活に合わせて着手した片付けは
お弁当箱と水筒の処分からスタート
長男の学童保育の夏休みから数えると、20年以上続いたお弁当作り。次男は中学・高校と給食も学食もなかったので完全弁当。長男と三男は学食で並ぶ時間を節約するために完全弁当。三男の高校卒業で母のお弁当作りもいよいよ卒業だ。
2サイズある保温弁当箱、3サイズあるスープジャー、おにぎりケース、バナナケースをはじめ、100均で可愛いものを見つけるとつい買い足して各種タッパーも山積みになっている。水筒もしかりで、各サイズ3~4本ずつにサッカー用2Lジャグ、冬の引率時用保温ポット、プロテインシェーカー5本など、「さすがに多すぎだろう」と自分でツッコむほどある。家族全員の“洗い替え需要”が満たせる数だ。
昨日のお弁当箱が入ったまま
というのも、毎朝の登校前に、前日の水筒やお弁当箱がまだカバンの中とか、食洗器に入ったままとか、度重なるピンチを母は経験してきた。さっさと手で洗え、という話ではあるが、朝は分刻みの戦いだから予備があれば安心と、物量作戦でここまでやってきた。
今回、お弁当箱と水筒の在庫を一気に半減させたことで(半分残すんだ)、かなりの爽快感を味わえた。その勢いでキッチン収納全体を片付けたくなり、それもやった。来客用のガラスコップをピカピカに磨き上げたのは、先日の来客時にコップの濁りに気づき、こっそり磨いてからお茶を入れた苦い経験から。玄関に出したスリッパもだいぶくたびれていて、新調しておくべきだったと後悔した。家の中に溜め込んだ物の数を減らしながら、風通しをよくしながら、メンテやアプデをするタイミングのようだ。
「お弁当作りが終わっちゃって寂しいんじゃないの」。三男がニヤニヤしながら言う。残念ながら寂しくはないよ。なぜなら、朝練後や移動の合間に彼が食べるおにぎりを毎日のように作っているから。終わりそうで終わらないのは、学生服もしかり。週1回の部活オフ日以外は学ランに革靴で大学に通うのが部の決まりだ。なんだかコスプレ感。私服を着るのが週1回だと、「なんなら面倒だから制服で行こうかな」と息子。週1回の機会に、ファッションに気合を入れよう、とかはないのか。
~本コラムの筆者プロフィール~
葉山 郁子 (はやま・いくこ)
ライター。小学生時代に4回転校するなど引っ越し好きの母と首都圏を転々とした後、神奈川県寄りの都内に定住。出版社で複数の編集部と雑誌創刊を経験。現在はフリーでエンタテインメント分野の記事を中心に執筆。長男独立後は社会人1年目の次男、大学1年生の三男と夫の4人世帯に加え91歳の母と二世帯同居している。