モノを手に入れるのは簡単、でも処分方法は複雑な現代。不要品の処分がおっくう・・・というお声を多く聞きます。不要品は捨てるしかないの?いいえ、モノにあった処分法を知ることで、モノが気持ちよく片付きますよ。
手放す決心をつけるポイントは
「自分が使うかどうか」
私たちは、モノに対して「まだ使えるからもったいない」「当時高かったから」「いただきものだから」などの理由をつけて、処分を後回しにしがちです。
決心をつけるコツは、ズバリ「自分がこの先好んで使うかどうか」で判断すること。「使えるか使えないか」などモノに焦点をあてるのではなく、自分の気持ちに素直に聞くのです。モノから自分の心へと視点を変えて、「本当に使いたいか?」「使う予定は決まっているか?」などと問いかけながら分類していきます。
使えるか使えないか、高かったか安かったか、などそのモノの価値を判断基準にすると、なかなか手放すことはできません。良いモノを使わずにしまい込んでおくのが、一番もったいないことだと思いませんか?
ただし、使わなくても思い出があるモノは、”思い出箱“に納めて大切にしてください。生前整理普及協会では“魔法の4分類シート”を利用して要不要の判断をすることをご提案しています。(2022/6/17コラム「思い出のモノの片づけかた」をご参照ください)
モノと自分に合った手放しかたを見つけましょう
不要なモノは、売る・リユース(リサイクル)・譲る・寄付・供養などの方法で手放します。
売る
ブランド品買取業者・・・・貴金属、服飾雑貨(時計・バッグ・アクセサリー)などのブランド品
専門品買取業者・・・・・・書画骨董、美術品、楽器、本、スポーツ用品、趣味雑貨、PCなど
一般買取業者・・・・・・・生活雑貨、衣類から家具・家電など家庭の一般品
フリマ、オークション・・・ブランド品から生活雑貨まで、自分で売る値段を決め、買い手とやりとり
リユースする
不要品処分業者の回収・・・・・・家電家具から生活雑貨まで。単品から家一軒の片付けも可能
自治体運営不要品センター・・・・持ち込み型の粗大ごみ回収センター。修理して再販してくれる
メーカー設置の回収ボックス・・・ユニクロなど衣料品メーカーが中心。金券と交換できる場合も
譲る・寄付する
周囲に声をかけ、喜んでもらってくれる人を探す。着物、楽器、コレクション、趣味用品など
地元の施設やサークルに寄付する。図書コーナー用の本、活動用の楽器・趣味用品など
団体を通じて寄付する。衣類や雑貨など、受け入れ品をよく確かめて。負担金がある場合も
供養する
白い紙や布で包み、塩を振って清めてから処分する。人形、写真、日記、形見の品など
寺社の”お焚き上げ“や葬儀社の”○○供養“に持ち込む。日程と受付可能品を事前確認して
お焚き上げ専門業者に委託。段ボール箱に詰めて送付する。燃えるものならほぼ供養が可能
リサイクル店や回収業者さんと、
お得で安心なおつきあい
「ブランド品買取業者」は、フランチャイズ店もありスタッフさんの力量もさまざまですが、買取価格はチェーン本部の統一基準と照らしながら決まります。貴金属類は、最近の金・プラチナの高騰から、グラム買取りをしてくれますので、破損品やブランド品以外でも持ち込んでみましょう。
いわゆる「リサイクルショップ」は信用第一、地元商店街で長く営業している店ならまず大丈夫です。一般生活雑貨から家電まで幅広く扱いますが、店舗により買取基準や得意不得意があるのでまず確認しましょう。取り扱い外のモノの買取や処分についても、懇意の業者を紹介してくれる場合があるので、情報源としても活用を。
大型家具、楽器、家電などの買取や処分の場合、業者探しはWeb検索が便利。「ピアノ・買取・横浜市」「ソファ・処分・藤沢市」などで候補が出ます。比較サイトを使って相見積もりをとる方法もありますが、個人情報登録後は電話やメールでの連絡がたくさん入りますので、対応時間に余裕があるときに。
「ご不要品はありませんか?」の電話にはご注意ください。訪問買取業者とのトラブルが増えています。改正特定商取引法(特商法)では、飛び込み訪問や依頼品以外の押し買い(「他にありませんか?」)を禁止しています。なるべく、利用者などから紹介された実績ある業者や、業界団体に所属(日本リユース業協会など)する業者を選びましょう。業者訪問時には、ひとりで対応せず、家族や友人に立ち合いを頼むと安心です。
“リユース着物市場”は、ここ数年供給過剰のためほとんど値段がつきません。残念ながら今の若い方には丈が合わないのです。「着物の高価買取」をうたうチラシを見かけますが、業者はあなたの「着物」にではなく、お宅にある「その他ブランド品」に興味があるのだということをご承知おきください。着る機会のある方にさしあげるか、思い出あるものならバッグやクッションカバーなどにリメイクして手元に。
「きっと誰かの役に立つ」と思うと、モノを手放しやすくなりますね。使用済みタオルでさえも、動物愛護団体などに寄付すると喜んで使ってくれます。
本コラムでは、「生前整理の基本 - モノの片づけ・心の整理・情報の伝達」について、順を追って詳しく解説していきます
「生前整理」は「モノ・心・情報を整理」して、あしたの道すじを照らすこと。ひとりでも多くの方が新しい目標をもって幸せに生ききることができますよう、と願いつつ
~本コラムの筆者プロフィール~
村上 充恵氏
ル・リアン横浜代表。生前整理コンシェルジュ。神奈川大学EXT講座講師。セミナー、相談会などを通じて生前整理メソッドをわかりやすく伝える活動をしている。生前整理普及協会アドバイザー認定指導員、ファインシャルプランナー2級技能士。