息子の帰国①

2025.4.17

4人暮らしに慣れた家族に合流
3LDKに5人の居場所はあるのか

「空の巣症候群はじまる」ーーこのエッセイ初回のタイトルが、2年半経っても予言のままだ。海外留学中の次男が帰国する。次男の留守中、彼の部屋は三男が使っていた。三男が修学旅行に旅立って2日後に次男が帰ってくるので、その2日間で寝具の洗濯をしたり、掃除をしたり、ゴミ箱をカラにしたりせねばならない。次男帰国の翌日に三男が修学旅行から帰り、長男と同じ部屋の、パーティションで区切られた狭い一画に戻る。連載開始時より身長も体重も一回り大きくなった三男が、ジュニアサイズのベッドに縮こまって寝る姿はさすがにふびんだ。

2人子育て終了目前のはずが

だから収納を取り払って空間を広げるとか、吹き抜けの一部をふさいで部屋にするとか、リフォームを考えないでもなかった。ただ、ママ友にその話をすると、「20歳過ぎた子供なんてすぐ巣立つわよ」「就職で地方に行くかも」「結婚が早いかもしれないし」等の意見もあり、確かにいまさら感がある。5人用に家をリフォームしたとたんに“空の巣症候群”が訪れたら、母としては切ない。
で、帰国する次男だが、「来年3月に修士課程を無事終えたらこの会社に入るよ」と報告があった。彼らしく、すべて自分で決めてからの報告だ。転勤の可能性は低く、会社の先輩方はリモートワーク中心だと言う。ん? すでに夫と長男が在宅中心で、毎朝出かけていくのは三男だけの我が家に、また1人在宅ワーク? 子育て終了のはずが、定時にランチも出す寮母に? 買い替え予定の洗濯機は今よりサイズアップ!? …冷や汗が噴き出す。
身長180cmを超えても可愛い息子たちが、就職後も家にいることが不満なわけではないし、嬉しくなくはない。なくはないが、さすがに三男のベッドをジュニアサイズからシングルに格上げしてあげなくては。それにこの暮らし、おそらくそんなに長くは続かないはずで、今を楽しむべきだと頭の中の自分が言う。1階に今夏90歳の母、2階3階にほぼ大人の3人息子と夫婦。今のところ、巣が空きそうな気配は見えない。

サッカーママの独り言②