ご相談者あつこさん
50歳 夫・子22歳
アドバイス井村さん
小田急不動産
親も高齢で、介護や実家をどうするかなど考える機会が増えてきました。私には弟がいるのですが、まわりでも相続問題の話などが聞こえてきたりしていて、まさか自分たちが・・・とは思いますが、問題にならないよう今できることや基本的なことを知っておきたいです。
相続に関しては、色々なお話が聞こえてきますし、トラブルはできるだけ避けたいですよね。親御さんがお持ちのご資産やご状況など、みなさんそれぞれ違うので一概には言えないのですが、今回は一般的に多い【お持ちの財産がご実家と、預貯金などの金融財産】だとして、相続分の決め方と、具体的な分け方について、ご説明していきますね。遺産総額が相続税の基礎控除を超えていれば、相続税を申告、納税しなければならないので、その点も事前に学んでおく必要がありますね。
相続分の決め方
遺言書で分け方を指定
実家の家屋を残して誰かが引き継ぐのか、売却をして現金化し相続人で分けるのか、こういったところも親の希望や意思がはっきりしているのであれば、遺言書に書いておいてもらうのをオススメします。
実家を誰かが引き継ぐ場合、遺言書で実家を引き継ぐ人を指定しておくと、後々にトラブルになりにくいのではないでしょうか。
実家の売却について、思い出の詰まった実家をどうするのかを子どもだけで決めるのは難しいこともありますが、親の意志が遺言書ではっきりしていれば、売却の動きが取りやすいです。
話し合いで相続分を分ける
遺言書がない場合は、相続人全員が集まって話し合う遺産分割協議で分け方を決めることになります。
遺産には「法定相続分」というものがあります。これは配偶者や子供など誰が相続人にあたるかで、何割ずつ相続するかが決まっている法律なのですが、話し合いによる遺産分割協議ではこの法律に縛られずに決めることができます(遺留分はあります)。
自分の相続財産が少ないとか、あちらの財産の方がよい、などでトラブルになりやすいので、不動産など分割しづらい相続財産が複数ある場合などは、事前に分けやすい状態にしておけると遺された人は安心ですね。いずれにしてもすが、法定相続分にこだわりすぎず、お互いに譲歩して話し合いができるとよいですね。
具体的な分け方について
今回のように、家と少しの金融財産があり、子どもたちが相続人の場合には以下のような方法があります。
実家の土地や建物を売却する場合
実家を売却し、現金化して均等に分ける。誰も実家を引き継がない場合にはこの方法がシンプルです。相続財産から、個人にかかわる未払いの支払い(税金や葬式代、医療費など。)を差し引くことができるので、まずはこちらを精算します。その後に残った現金を分けます。
実家を子どもの一人が相続する場合
子どもの一人が実家を相続する場合、他の子どもが預貯金などの相続をすると差が大きい場合には、実家を相続した子どもが差額に相当する金額を支払う、というやり方もあります。
実家の価格の決め方ですが、相続税がかかる場合申告を依頼する税理士に相談して時価を出して貰う方法や、相続税がかからない場合は不動産会社数社に査定を依頼して査定価格の真ん中あたりを目安に決める方法があります。
この差額の調整ですが、実家を相続する子どものその後の負担なども考慮するなど、金額の配慮があっても良いですね。
親の生前に実家を活用する場合
将来子どもが実家に住まない場合、親が元気なうちに実家を売却してその資金で高齢者用の賃貸住宅や施設に入居するという方法もあります。こうすると、親が生前に売却で得る資金を使うことができ、相続時に残るのは金融資産だけになるので子どもは分けやすくなりますよ!
親が実家に住み続けたい場合でも、実家を担保に金融機関の融資を受けるという制度(リバースモーゲージ)や、売却しても実家に住み続けられる金融商品(リースバック)というものを活用して、老後の生活費に当てたり、老後資金として実家を活用することができます。
相続分の決め方と、具体的な分け方、お話聞けて少しスッキリしてきました!親もまだ元気にすごしているので、親自身に相続について考えてもらうこともできますし、実家を親自身の老後資金として活用してもらうという方法は知りませんでしたので参考になりました。
今後老後にどのくらい資金が必要なのか、実家は売却するとしたらいくらくらいなのか、今ある金融資産がどのくらいなのか、等、事前に知ることができると、親御さん含め相続人であるご兄弟さんとも検討ができそうですよね。
小田急住まいのプラザでは司法書士や税理士による相続等個別相談会なども定期的に実施しています。遺言書の書き方や、相続の相談などをまずプロに話してみるのも良いかもしれませんね
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