今回は、インテリアライフスタイルショップが考える「インテリアコーディネートの秘訣」について、実際のコーディネート事例を元に3つのポイントを順にご紹介します。インテリアコーディネートの際のご参考にされてみてはいかがでしょうか。
空間にタイトルとストーリーを作る
空間をコーディネートするときには、その空間に「タイトル」と「ストーリー」を作ります。
今回紹介する事例のタイトルは「WONDERLAND」。
来客が多く広さのある今回のお部屋。
元々たくさんの動物のオブジェをお客様がお持ちであり、またお客様のご要望で「楽しい変わった部屋にしてほしい」という事でしたので、そのオブジェを活かし、空間を「不思議の国のアリス」になぞらえて、ストーリーを作りコーディネートをしました。
このお部屋に来られるお客様は「アリス」。
たくさんの動物たちに案内され、導かれて、奥の部屋へと進んでいく。そこには様々な動物や様々なインテリアアイテムで構成された不思議な空間が広がっています。
玄関に入るとすぐにネコとイヌに迎えられます。
奥へ進むとゴリラやサイが迎え入れてくれます。
タイトルとストーリーを作ることで、コーディネートをするときに常にそのタイトルとストーリーに合わせながら空間を作るようになります。それにより、その空間がバラバラなコーディネートにならず、タイトルとストーリーにあったトータルコーディネートが出来上がります。ご自宅のインテリアを考えるとき、
- どんなお部屋にしたい=タイトル
- どんな生活をしたい=ストーリー
こんなイメージで考えて頂けると楽しく素敵にコーディネートできると思います。
同じシリーズのアイテムを揃えることに固執しない
よくある家具屋さん的コーディネートで多いのが、同じシリーズでまとめるという方法。もちろん、同じシリーズで合わせることで、その空間が整いやすくなりますが、どうしても面白みや目新しさが生まれません。コーディネートのバランスを考えながら、様々なブランドやデザインを上手くミックスするコーディネートを心掛けてみましょう。
デザイン、テイスト、素材。異なる様々な要素を、空間のタイトルとストーリーに合わせて構成していくことで、バラバラにならずしっかりとまとまった空間を作ることが出来ます。
ダイニングスペースは、サイドボード、ダイニングテーブル、ダイニングチェア、それぞれ違うブランド、シリーズのものでコーディネート。今回はダイニングチェアのみ同じものを6脚セレクト。この空間で椅子までバラバラにしてしまうと、ごちゃついてしまうので同じもので揃えています。
リビングスペースは、3種類のソファをセレクト。モダンなソファ、トラッドなソファ、布、革、木、金属。デザインや素材をミックスしています。プライベートスペースもモダン、トラッド、革、カウスキン、布、ポリカーボネート、金属、木。様々なものをミックス。
崩しのポイントは「リレーション(関係性)」を活かす
最後に、様々な異なる要素を、空間とタイトルに合わせて構成するコーディネートをするとき、必ず意識するのは「リレーション」です。「リレーション」とは関係性という意味です。
2でお話しをした「同じシリーズのアイテムを揃えることに固執しない」というコーディネートを成立させるためには、この「リレーション」が絶対に必要になります。
今回のリビングの場合、全て違うデザインのソファを合わせています。一見不揃いに見えますが、白いソファとブラウンのソファは、布素材であることと、直線的デザインであることを揃えてまとまりを感じさせています。
また、天井から吊るしたペンダントライトと、サイドテーブルオブジェはソファの直線に対して曲線を活かしたデザインで揃え、対比のリレーション(関係性)を演出しています。
リビングとプライベートスペースには同じ照明をセレクト。崩す、揃えるのバランスをしっかりととることで、空間のまとまりが出来るようになります。
いかがでしたでしょうか?
今回はインテリアコーディネートの3つの秘訣をお伝えしました。これらの秘訣を、少しでも意識していただくことで、他とは違う素敵な空間になると思います。ぜひ、実践をしてみてください。
今回の記事でご紹介をした事例はこちら。
https://www.rigna.com/coordinate/p121
~本コラムの筆者プロフィール~
リグナ株式会社 インテリア部 部長 村野 友明
リグナは、国内外合わせて300社以上のブランドを取り扱っているインテリアライフスタイルショップであり、インテリア業界に精通した目利きのバイヤーがセレクトした国内外の家具をはじめ、インテリア雑貨、アートまで幅広く取り扱っています。
またドラマや映画の美術協力や個人宅や法人案件のインテリアコーディネートなど、多岐にわたるインテリアのご提案を手掛けております。