~家の記憶エッセイ~ 住まいと棲み家とお宅とアジト
住まいにまつわるショートストーリーをお届けします。
日々の、日常の、住まいと家族のこと。
朝のコーヒーを飲みながら、通勤電車の中で、煮物が煮あがる待ち時間、就寝前に。
インテリアやインタビュー記事を執筆しているフリーライターによるコラムです。
延ばし延ばしだった外壁と屋根
築20年目前でついに決断
このコラムでも何度か“気になりゴト”として登場していたのが外壁のリフォーム。築19年を迎えたこの春、ついについに、自宅の外壁と屋根のリフォームを決行した。
思えば築10年を過ぎたころから「やらなくちゃ」と思い始め、ずっと頭の片隅で気にしながら、家電や住宅設備のアップデートを優先してきた私。気になりゴトを先延ばしにしない人がうらやましいし、忘れていられる人もうらやましい。そのどちらでもなく、ずっと気にしながら時期を遅らせたことで節約になったのか、老朽化を加速させたのか、正解はわからない。
さっさとやるか忘れてるかがいい
建築関係の仕事をするママ友には施工前に念押しされた。「美化より、この先10年後も傷まない家にするのが大事だからね」。おかげで窓枠周りのコーキング補修なんかも工務店さんに念押しできました、はい。
新築時に大手業者が関わった場合は、何年かごとにメンテナンスへの声掛けがあると聞く。愛車の〇年点検のお知らせハガキが届くように。うちの場合は設計も施工も個人の事務所と工務店だったので、気づけばすべて自己責任。さすがに20年修繕無しはまずいかなと、漠然と感じていた気がする。
具体的に動き出したのは3年前。飛び込み営業に来るリフォーム業者に対応したり、折込チラシをとっておいたりが第1歩。ホームセンターで「修繕の見積もりだけでも」と勧められるままに診断してもらったのが第2歩。大手不動産会社の建築士と、新築時の個人工務店社長の2人に見てもらったのが第3歩。大手からはとても説得力のある、立派すぎるリフォーム提案書をいただいた。にもかかわらず結局、紙2枚の見積書だけだった個人工務店に施工をお願いした。その理由はまた次回に。
~本コラムの筆者プロフィール~
葉山 郁子 (はやま・いくこ)
ライター。小学生時代に4回転校するなど引っ越し好きの母と首都圏を転々とした後、神奈川県寄りの都内に定住。大手出版社で複数の編集部と雑誌創刊を経験。現在はフリーでエンタテインメント分野の記事を中心に執筆。社会人、大学院生、高校生の3人息子と夫の5人世帯に加え88歳の母と二世帯同居している。